さて,第一五期生一三九名の皆さん,中学校課程の修了おめでとうございます。また,卒業おめでとうございます。いま,一人ひとりに卒業証書を授与しました。この卒業証書には校訓である「人に 愛される人 信頼される人 尊敬される人 になろう」のもとで,皆さんが仲間や先生方と過ごした近中での3年間が凝縮されています。真新しいブレザーにそでを通し希望に胸を膨らませて入学をして三年が経ちました。三年間を振り返れば,新しい教科との出会い,日々仲間とともに頑張った学習やクラブ活動,地域の方々にお世話になった稲作実習,附属中学ならではの近畿大学医学部や生物理工学部で大学体験,中学校最大の行事である東京方面への修学旅行,体育祭や文化祭,など数えきれないほどの色々なことを経験しました。楽しいことばかりではなかったと思います。勉強で行き詰った時もあったでしょう。人間関係で悩んだこともあったでしょう。しかし皆さんは様々な学びや経験を通して,また困難を乗り越えて,今ここに立派に成長した姿を見せてくれています。学年通信のタイトル通りホップ・ステップ・ジャンプができた三年間だったでしょうか。
皆さんは今日で九年間の義務教育を終え,四月からは高等学校に進学します。皆さんも知っている通り,高校は義務教育ではありません。義務教育にない新たな制度が沢山あり自己責任の割合もさらに高くなります。幸い皆さんは校内で高校生の良き姿を見ながら三年間を過ごしてきました。四月からは大きく環境が変わりますが,戸惑うことなくスタートダッシュができるはずです。また,これから高校生活をスタートするにあたり,将来就きたい職業や進みたい大学など具体的な目標を持ち,夢をもって入学の日を迎えられるよう,十分な準備をして欲しいと思います。高校では他校から入学してくる新たな仲間とともに高校第一学年として団結し,お互いに切磋琢磨をして高いレベルの競争をしてくれることを期待しています。勉強も科目数が増え難易度が上がります。授業進度もより速くなります。近畿大学創設者であり,初代総長の 世耕弘一先生は若い時に苦学をされましたが,「学問が運命を開いてくれた」と話されています。まさに,中校での学習を基盤とした高校での勉強が学問のスタートになります。高校では今まで以上に真剣に勉強に取り組むことで,学問への道を探り,自分自身の運命を自分自身の力で切り開いてください。そのためには,何事にも興味・関心を持ち,自ら学び,考えることのできる態度や,主体的に判断し自ら行動に移す力が必要です。また,高い志や強い意志を持つことも必要です。近校はこれからも引き続き皆さんが最大限の力を身に付け,将来の夢の実現に近づけるよう支援をしていくことを約束します。
終わりになりますが,保護者の皆様に一言お祝いとお礼を述べさせていただきます。改めましてお子様の中学校課程の修了,中学校の卒業おめでとうございます。今日の日を迎えられ,お喜びもひとしおのこととお察し申し上げます。保護者の方々には,この三年間,陰になり日向になりお子様を支えてこられたことに敬意を表するとともに,物心両面から本校の教育方針を理解していただき,教育推進にお力添えを賜りましたことに厚くお礼を申し上げます。高校になりましても,引き続き本校の教育方針のもとで保護者の方々とともに子どもたちの成長を支援して参りたいと思いますので,よろしくお願いします。
さて,卒業生の皆さん,今日は,大きな区切りの日です。全員で皆さんの門出を祝福し,喜びたいと思います。四月からはいよいよ高校生です。高校生活のスムーズなスタートを切り,高校での三年間の日々が夢の実現に向けて着実に前進し,納得のいく時間になることを祈念して修了式の式辞といたします。
平成二八年三月一二日
近畿大学附属広島中学校東広島校
校長 前 眞一郎