2020年1月7日火曜日

令和元年度3学期始業式 学校長式辞

みなさん、明けましておめでとうございます。令和元年度3学期を始業し、また令和2年の新年を迎えるにあたり、ご挨拶をいたします。

さあ、2週間の冬休みが終わり、新学期が始まりました。みなさんの年末、年始の生活はいかがだったでしょうか。

昨年は、元号が平成31年から令和元年へと変わり、新たな時代が始まりました。色々なことがありました。新しい天皇陛下の即位礼正殿の儀が行われ、ラグビーのワールドカップでは日本のチームが全国に感動を与えてくれました。また消費税が10%に上がったり、昨年に続いて日本各地で台風などの被害が出て、改めて自然の脅威を実感しました。みなさんにとってのBiggest Newsは何だったでしょうか。

年が明け、令和も2年目を迎えます。こういう節目の時には、気持ちも新たに何か自分なりの目標を立ててみるチャンスでもあります。私自身は、昨年に引き続きメディアから正確な情報を選出しながら世界情勢に目を配り、苦手な歴史を勉強しつつ、毎日少しでも英語の書物に目を通そうと思っています。みなさんもぜひ何か目標を立てて、おうちの人や友だちに話してみましょう。他と共有することが肝心。そこから実現に向けてのステップを踏み出すのです。

高校3年生のみなさんは、目前に迫る大学入試に向けてセンター試験や個別学力試験の対策で休む間もなく勉強に励んでいたと思います。精神的にも一番つらい時期ですが、みなさんの今の努力は必ず報われる時が来ます。今まで自分が行った学習は決して裏切りません。それを信じて本番の試験に臨んでください。キーワードは「平常心」ですよ。

さて今日は2学期の終業式でお話しした“JUSTICE”という言葉をもう少し深めたいと思っています。「正義、公正、司法、裁判」などの意味がありましたね。自分をJusticeすること、正しく判断することが大切だ、ということをお話ししました。冬休みの間にじっくりと自分と向き合う時間はとれましたか。

またこのことについて、私がまだ学生のころ、同じ学年の友だちがこんな話をしてくれました。その友だちは本を読むのが大好きで、近くの小さな図書館に通っていました。でもその図書館では、何度言っても借りた本を返却してくれない人がいたそうです。すると図書館の館長さんは、本を返してくれない人を裁判で訴えたそうです。たった1冊の本を返さないからといって裁判をするなんて、とその友だちは思いました。貴重な本ではなく、何百円かのどこにでも売っている普通の本です。裁判の費用の方が何百倍、何千倍もかかります。時間も労力も莫大にかかります。なのにどうして裁判をするのでしょうか。返さないような人は放っておいて、買い替えた方がいいのでは。

友だちの質問に、館長さんはこう答えたそうです。「それは正義のためだ」と。ルールを守るということは、お金に換えられない、本当にかけがえのない、何よりも大切な行いだ。その正義を守るためにお金や時間、労力を惜しまないのは当然ではないか、と話してくれたそうです。みなさんはこの話を聞いてどう思いましたか。

当時は私もまだみなさんと同じくらいの年齢でしたから、話してくれた友だちとちょっと納得できずに、もやもやした気持ちを共有したことを覚えています。でも今はこれこそJusticeなのだと考えています。自分に対して嘘をつかず、他に対しても公正な行いで接するということがJusticeなのです。

そうは言っても人間は弱い生き物です。何かと迷ったり、悩んだり、途方に暮れることもあるでしょう。そんな時にはぜひ、この“JUSTICE”と館長さんの言葉を思い出してください。自分の進むべき方向が見えてくるかもしれません。そして自信を持って自分の決めた方向に進んでいきましょう。

3学期は、高校3年生だけが大変なのではなく、中学1年生から高校2年生のみなさんにとっても、年度のまとめ、集大成の学期になります。高校2年生は修学旅行も控えていますね。後悔の残らないように計画的に生活して、次の学年へのステップとしてください。
May the Force be with you!頑張っていきましょう。