2018年4月5日木曜日

平成30年度 入学式 学校長式辞

ここ,うめの辺にも春の訪れを感じるこの良き日,ご多用にもかかわらずご臨席を賜りました近畿大学工学部長 野村正人様をはじめ多数の来賓の皆様,保護者の方々とともに,入学式をかくも厳粛に,また盛大に挙行できますことを誠に喜ばしく思います。本校教職員,新入生を代表いたしまして,厚く御礼申し上げます。また,本年度の入学式は,今年二月に竣工したばかりのこの工学部の体育館で挙行することが出来ました。工学部の関係者の皆様にも感謝とお礼を申し上げます。

さて,今中学校課程一三一名,高等学校課程二〇三名の入学を許可しました。新入生の皆さん,近畿大学附属広島高等学校・中学校東広島校への入学おめでとうございます。教職員,在校生ともに,皆さんの入学を心待ちにしていました。今日から新たな学校生活が始まりますが,大きな夢と高い志を持ち,夢の実現にむけた計画的な時間を過ごして欲しいと思います。

本校の母体である近畿大学は,一九二五年に世耕弘一先生が創設をされ九〇年を超える歴史を有しています。ここ工学部を含め全部で一四の学部をもつ総合大学です。「人格の陶冶」と「未来志向の実学教育」を建学の理念としており,本校もその精神を受け継いでいます。近畿大学の昨年度の入学試験では志願者数で五年連続全国第一位となりました。どんどん進化していく大学の附属学校として,誇りに思うところです。

本校は,平成八年に高等学校課程からスタートをして,今年で二三年目を迎えます。開校以来四千人を超える卒業生を送り出してきましたが,この間,地域からの厚い信頼をいただき「近校」の名で親しまれてきました。また,進学校として難関大学や広島大学をはじめとする国公立大学,近畿大学への進路実績を重ねているところです。校訓を「人に 愛される人,信頼される人,尊敬される人 になろう」としており,現在「グローバルな社会に出て活躍できる人になる」「知的好奇心を育てる」を合言葉に生徒,教職員が一体となり,教育活動に取り組んでいます。

皆さんは,今日の入学式を迎えるにあたり,「入学をしたら,こんなことに挑戦してみよう」「将来はこんな職業についてみよう」など,将来の夢や目標を持ってこの日を迎えたことと思います。私は,皆さんが「自らこうありたい」「こういう人間になりたい」という具体的な将来像を明確にすることが大切だと考えます。そして,その実現に向けた方法を自ら考え,それらを実際に行動に移すことが必要だと考えます。場合によっては家族の方や先生方に相談をするのもいいでしょう。入学後も,今の夢や目標,気持ちを持ち続け,失敗を恐れず,色々なことに挑戦をして欲しいと思います。中学校や高校時代は,長い人生から考えればわずか三年という短い期間ですが,心身共に大きく成長する時期であり,人格も形成される時期です。私の経験からも生涯の友人に出会う時期でもあります。目標達成のために,がむしゃらに勉強する時期でもあります。いろいろな意味で,人生にとって最もやるべきことが多く,大事な時期であると言っても過言ではありません。さまざまな経験をすればするほど悩みも出てくるかもしれません。困ったことがあれば,いつでも先生方や先輩に相談をしてみてください。きっと,その道が開けてくるはずです。皆さんには様々なことに高いレベルでの競争をして,集団として大きく成長をしてくれることを期待しています。

中学一年生の皆さんは,今日からこの近校での六年間を過ごすことになります。まずは,ここにいる新入生一三一人が仲よくして,皆で力を合わせて色々なことに一生懸命頑張れる集団になって欲しいと思います。そのうえで,六年後のことをいろいろ考えて勉強はもちろん,クラブ活動や行事に全力で取り組んでください。

高校一年生の皆さんは,まず中学校と高校の違いをしっかりと認識してください。これからは,義務教育ではありません。中学校と制度も大きく異なります。自己責任の割合も一層大きくなります。授業も難易度が上がりスピードも速くなります。自分自身のことは自分自身で考え,主体的に行動できる力を身に付けて欲しいと思います。中高一貫生と新たに入学する皆さんが切磋琢磨し,本校の新しい伝統を作り出してくれることを期待しています。

本校は,進学校としての自負と実績を持っています。入学後は六年後または三年後の大学進学を意識して,学習に取り組んでほしいと思います。その時のエネルギーになるのが知的好奇心であると私は考えています。様々なことについて,「何故だろうと不思議に思う心」「それを解決しようとする態度」「もっと深く知りたいという気持ち」を大切にしてこれからの学習をはじめとする学校生活を送って欲しいと思います。

さて,保護者の皆様,本日はお子様のご入学おめでとうございます。これから大切なお子様を責任を持ってお預かりさせて頂きます。本校の教育目標や教育方針をご理解頂き,ご協力をよろしくお願い致します。本校では,先ほども触れましたが,生徒全員に変化の激しい時代を生き抜くことのできる資質や能力,高い学力を身に付け,将来「グローバルな社会に出て活躍できる人材を育てていきたい」と考えています。そのために,学校と家庭が一体となり,同じ気持ちで子どもたちの成長を見守り,支援していくことが大切だと考えます。これからどうぞよろしくお願いいたします。今後,何か心配なことがおありでしたら,早めに学校に相談していただきたいと思います。

新入生の皆さん,いよいよ今日から近校での学校生活がスタートします。皆さんは無限の可能性を秘めています。これから皆さんが本校の一員として「ワンランク上をめざして」を合言葉にこの近校で大きく成長してくれることを期待しています。一昨年の新入生から制服が一部変わりました。胸には新しくエンブレムがついています。これからこの制服やエンブレムにプライドや誇りが持てるような日々を送ってくれることを期待しています。新入生の皆さんの本校での新たな学校生活が,スムーズにスタートをし,また,これからが夢の実現に向けて着実に前進する時間になることを祈念して,式辞といたします。

平成三〇年四月五日
近畿大学附属広島高等学校・中学校東広島校
校長 前 眞一郎